作品を共につくる喜び
神奈川県立音楽堂 シリーズ『新しい視点』
<紅葉坂プロジェクト Vol.1> ワーク・イン・プログレス(公開プレゼンテーション)

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作品を共につくる喜び

神奈川県立音楽堂 シリーズ『新しい視点』

<紅葉坂プロジェクト Vol.1> ワーク・イン・プログレス(公開プレゼンテーション)【参加者募集】

text by 八木宏之

聴衆参加型の「ワーク・イン・プログレス」

神奈川県立音楽堂が2022年から『新しい視点』<紅葉坂プロジェクト>というシリーズをスタートする。このシリーズは、演奏家が聴衆に対してどのように音楽を発信するのか、また聴衆はいかにしてそれらの音楽と出会うのか、という双方向の可能性を広げるプロジェクトである。気鋭の若手作曲家への作品委嘱や作曲コンクールなどはこれまでも多く行われてきたが、この『新しい視点』はそれら従来のコンテンポラリー企画とは異なる側面を持っている。それが「ワーク・イン・プログレス」だ。

コンテンポラリー・ミュージックの領域で「ワーク・イン・プログレス」というと、一旦完成した作品が、作曲家によってその後も手を加えられ、ときには規模を拡大しながら形を変えていくことを指す。例えばフランスの戦後の前衛音楽の巨人ピエール・ブーレーズは、こうした「ワーク・イン・プログレス」の手法を好んだことで知られている。今回の『新しい視点』における「ワーク・イン・プログレス」では、作曲家だけでなく、聴衆のひとりひとりが作品の完成へ向けたひとつの要素となる

『新しい視点』の第1回に選ばれた3作品は、一柳慧(作曲家、ピアニスト)、沼野雄司(音楽学者)、鈴木優人(指揮者、鍵盤楽器奏者、作曲家)の3人による審査を経て、一般公募から採択されたものだ。ひとつ目はヴァイオリニストの河村絢音と作曲家の佐原洸による『kasane(かさね)〜呼応する弦楽器と電子音響〜』、ふたつ目は作曲家、パフォーマーのささきしおりによる『描線の音楽会〜ユポドラムによるドローイング サウンド パフォーマンス〜』、そして3つ目がヴァイオリニストの滝千春とピアニストの中野翔太による『音+音〜“響き”を通して知る音楽の根源 そして新たな“響き”の探求』である。

電子音響やライブペインティング、サウンドパフォーマンスの形態を持ったこれら3つのプロジェクトについて、アーティスト自身によるプレゼンテーションが2月27日に神奈川県立音楽堂で行われる。このプレゼンテーションには誰もが参加することができ(参加費無料、要事前申し込み)、前述の3人の審査員とともに、音楽家たちに質問を投げかけることができるのだ。参加者からの問いかけとここで生じたディスカッションを踏まえて、企画者たちは改めてプロジェクトを練り直し、ブラッシュアップして、7月2日の本公演を迎える。

若きアーティストたちと聴衆の相互コミュニケーション「ワーク・イン・プログレス」を通して作品は無限の変容を遂げる。これほど刺激的なアート体験はそうないだろう。ぜひ神奈川県立音楽堂に集って、作品の一要素となってみてはいかがだろうか。

河村絢音と佐原洸
ささきしおり
滝千春と中野翔太©Taira Tairadate

神奈川県立音楽堂 シリーズ『新しい視点』
<紅葉坂プロジェクト Vol.1> ワーク・イン・プログレス(公開プレゼンテーション)

2022年2月27日(日)14:00開演(13:30開場)

参加費無料(要事前申し込み)
お申込フォームまたは、往復はがきにてお申し込みください

■申込フォーム:こちらのフォームにご入力ください。

■往復はがき:下記を明記の上2月20日必着でお送りください。

申込先:〒220-0044 神奈川県横浜市西区紅葉ケ丘9-2 神奈川県立音楽堂「紅葉坂プロジェクト係」
往信面:お名前、電話番号、性別、年代
返信面:返信先ご住所、お名前

企画の詳細はこちら:https://www.kanagawa-ongakudo.com/event/37744

お問い合わせ:神奈川県立音楽堂(指定管理者:公益財団法人神奈川芸術文化財団) 045-263-2567(9:00-17:00 月曜休館)

 

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